顎関節症：オペラにおいてわかったこと

　オペラ（OPPERA）の初期段階においてわかったことは、以下のとおりです。

1. TMDは有病率の高い疾患です。研究対象者の4%が毎年TMDを発症している。

2. TMDの有病率は35～44歳で最も高い（約7%）。

3. 女性は男性の4倍、TMDを発症する可能性が高い。

4. TMDを発症した人は、以下の兆候や症状を示す可能性が高い。

  　　咀嚼能力の低下、開口障害、下顎機能の低下、頭頸部筋の疼痛

5. TMDは単一の症状ではなく、複数の症状が組み合わさったものである。

6. TMDは単一の症状ではなく、複数の症状が組み合わさったものです。OPPERAは、

症状の重症度と併発する疼痛障害（COPC）の数が異なる3つのグループを特定しました。（図を参照）

  - グループ1（適応性のある）：このグループの患者は、痛みの程度が比較的軽く、心理的苦痛もほとんどなく、痛みは顎関節とその周囲の筋肉に限局しています。このグループには、女性よりも男性が多く含まれています。

  - グループ2（痛みに敏感）：このグループの人々は、筋肉痛に対する感受性が最も高く、心理的ストレスがやや高く、COPCが多いです。このグループには、男性よりも女性の方がやや多く含まれています。

  - グループ3（症状併発）：このグループの患者は、痛みと機能障害が最も重度で、筋の圧痛部位が多く、COPCが多く、心理的苦痛も最も大きいです。このグループの人々は、顎の損傷や人生におけるトラウマ的な出来事の既往歴が多く、男性よりも女性の方が多いです。

7. OPPERAが現在行っている研究の結果から、TMDは単独の顎や歯の疾患ではなく、多系統疾患として捉えるべきであることが示されています。（次号に続く）